ニッポンソーラーには、50W〜500Wの太陽光発電一式セットが10種類用意されています。しかし、あなたが購入するに当たってその中からどれを選べば良いのか非常に迷うところです。
相手は太陽であり、いつも晴天でフル発電できるわけではありません。
使用するバッテリーには適正な充電スピードや放電スピードがあります。 費用も出来るだけ抑えたい等々とそのような条件をあれこれと考えていると、 どのセットがあなたの希望する条件にあっているのか判断することは案外難しいものです。
そこで、あなたの判断材料になればと、 使用する機器の効率や損失等は無視をした目安を計算しました。
ですから、実際の使用に当たっては、少し余裕を持った使い方をすることが必要になるでしょう。
晴天の日で、日本の日照時間の平均値(?)を考えると、 一日当たり約3.5時間の発電ができるというのが一般的な目安だと言われています。
ですから、一日当たりの発電容量は、 Wh=Watt・hour
50wのソーラーパネルなら、50W × 3.5時間 = 175W・時間 = 175Wh
100wのソーラーパネルなら、100W × 3.5時間 = 350W・時間 = 350Wh
200wのソーラーパネルなら、200W × 3.5時間 = 700W・時間 = 700Wh
250wのソーラーパネルなら、250W × 3.5時間 = 875W・時間 = 875Wh
400wのソーラーパネルなら、400W × 3.5時間 = 1400W・時間 = 1400Wh
500wのソーラーパネルなら、500W × 3.5時間 = 1750W・時間 = 1750Wh
となります。
例えば、100wのソーラーパネルを使ったの時の一日当たりの発電容量350Whでは、
100Wの電気製品なら 3.5時間、
50Wの電気製品なら 7.0時間、
20Wの電気製品なら 17.5時間、
使える発電容量と言うことになります。
しかし、このように言えるのは、発電容量に比べて大きめのバッテリーを使っている場合です。もし、バッテリー容量が小さいとせっかく発電してもそれを全部貯えることが出来なくなるからです。
ご安心ください、ニッポンソーラーの一式セットは全てこの条件を満たした組合せになっています。
バッテリーは化学反応を利用して電気の充放電をしています。
そのため、時には生き物などとも言われることもあり、色々と変わった特徴があります。
バッテリーの容量を表す 〇〇Ah というのは、〇〇Ah/20h とも表現され、 20時間掛けて一定電流で放電させると 〇〇Ah 使用出来るということを表しています。
20時間より短時間で放電させると、カタログに表記されている値に比べて、 バッテリーの寿命は短くなり、しかも使用出来る容量は〇〇Ahより少なくなります。 反対に、20時間より長時間で放電させると、カタログに表記されている値に比べて、 バッテリー寿命を長く出来、使用出来る容量は〇〇Ahより多くなります。
この説明はバッテリー容量の表示方法についてであり、バッテリーを末永く使うことを考えた時、満充電後に一度に使える適正な電気容量とは違います?!
このへんがバッテリーを理解する上でややこしくて何となく難しいところです。
ニッポンソーラーの50W〜500Wの太陽光発電一式セットには、 80Ah、105Ah、105Ah×2 のいずれかのバッテリーが使われています。 使用するバッテリーの容量から見て貯えられる最大の電気容量は、 バッテリー電圧が12Vなので、
80Ahのバッテリーを使うと 80Ah × 12V = 960Wh (Ah・V=AVh=Wh)
105Ahのバッテリーを使うと 105Ah × 12V = 1260Wh
105Ahのバッテリーを2個使うと 105Ah ×2 × 12V = 2520Wh
ですが、上にも述べたようにこの数値はあくまでも貯えられる最大電気容量であって、 実際に使用出来る一回当たりの最大電気容量ではありません。
というのは、バッテリーの特性上全容量を放電させてしまうと、寿命が短くなるのです。
全容量近くまで放電出来ることを特徴としているディープサイクルバッテリーであっても、 放電は80%までとし、20%は使い切らずに残すように、となっています。
採用しているACDelco社のバッテリーガイドの5ページには次のように説明されています。
必要なバッテリーサイズ = あなたにとって必要なWh/(12V×0.8)+ 25% となります。
0.8 = バッテリー容量の80%までの放電で使用出来るため、
25%の追加 = ケーブルロス、過負荷、その他のための余裕のため
逆に考えると、例えば容量が 105Ah/20h のディープサイクルバッテリーの場合であれば、
実際に使用出来る一回当たりの最大電気容量(放電容量)は、上の式から逆算して、 105Ah × 0.8 ÷1.25 =67.2Ah として考えるのが理想でしょう。
しかもその上、バッテリーに悪影響を与えない充電をするためには、
バッテリー容量の 1/10 以下の電流で充電するのが好ましいと言われています。
例えば 80Ah のバッテリーを使った場合だと、充電電流は 8A 以下ということになります。
ですから、例えば、100Wのソーラーパネルと80Ahのバッテリーの組合せを考えると、 100wのソーラーパネルの供給できる電流 = 100W ÷ 12V ≒ 8.3A となりますが、
8.3Aの電流は、少しオーバー気味ですがほぼこの条件を満たしていると考えても良いでしょう。
しかし、ニッポンソーラーの太陽光発電一式セット10種類を見ると、 250w 以降のものに関しては、 1/10 以下とはならなく 1/5 程度になるものがあります。
実際にはチャージコントローラーがバッテリーの状況を確認しながら充電しているので、
この数値は参考値として見てください。
適正な放電、すなわち最大何Wの電気製品に使えるかですが、 バッテリーの容量は〇〇Ah/20h で表示されています。 バッテリーのことを考えると、20時間掛けて〇〇Ahを取り出す使い方が良いと言われています。
そのため取り出せる最大の電流値A、すなわち使用できる最大のW数が決まってきます。
最大のW数は、バッテリー容量を20hで割って電流値を求め、それにバッテリーの電圧12Vを掛けると求められます。
バッテリーの寿命を考えて、無理をしないで使える最大のW数は、
80Ahのバッテリーを使うと 80Ah ÷ 20h × 12V = 48W
105Ahのバッテリーを使うと 105Ah ÷ 20h × 12V = 63W
105Ahのバッテリーを2個使うと 105Ah ×2 ÷ 20h × 12V = 126W
です。
最大W数での使用可能時間は、 最大の適正な放電として20時間掛けて電気を取り出すのですから20時間ということになります。
しかし、20時間取り出すと、バッテリーは空になり寿命に影響するので、半分の10時間程度に留めて置くのが理想的です。
太陽光発電一式セットでは、チャージコントローラーあるいはインバーターの放電制御機能がバッテリーの状態を見ながら放電を停止するようにしています。
満充電から10.5Vになるまで25Aを連続的に放電出来る時間 |
バッテリーの寿命は別にすれば、RC(リザーブキャパシティ)として定義されている満充電から10.5Vになるまで25Aを連続的に放電出来る時間はニッポンソーラーのホームページには記載されていないので、ACDelco社のバッテリーのカタログ値から推測してみました。
カタログ値については、こちらをクリックして、13ページ、15ページを参考にしました。
グラフにすると下図のようになります。
25Aということは、 25A × 12V = 300W
の消費電力ということになります。
300Wの消費電力なら 何分間使用出来るか推測すると、
80Ahのバッテリーを使うと、 約135分
105Ahのバッテリーを使うと、 約190分
105Ahのバッテリーを2個使うと、 時間は同じ約190分で、 25A×2=50A すなわち 300W×2=600W の消費が出来ることになります。
黒字はニッポンソーラーオリジナルのセットです。
赤字は未来舎製バージョンのセットです。
ただし、400Wと500Wのセットの場合のRCで取り出す電流は25A×2=50Aです。
セットには色々と特色があり、一日当たりの発電量vsバッテリー容量の関係も色々です。
そんなことを無視してセットを購入すると、こんなはずじゃなかったということになるかもしれません。
セットの購入に当たっては単純にソーラーパネルの発電量だけで決めるのではなく、 一覧表を参考にしてあなた使用条件に合っているかどうか確かめた上で決めてください。
もしも適切なものがなければ、用意されたセットにはこだわらずに、 設計もしたい時を参考にしてあなたに合った組み合わせを設計してみてはいかでしょうか?
費用については、セット一式の価格をグラフにしましたので、参考にしてください。
赤のグラフは未来舎バージョンの架台付きと架台無しの、 青のグラフはニッポンソーラーオリジナルの架台付きと架台無しのものです。
セット価格を一覧表にすると下記のようになります。
信頼性を重視するなら未来舎製のコントローラーならびにインバーターが入っているセットを!
ということになるかもしれません。
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